JP EN

MENU

三田理化Times RACOON NEWS

HOME三田理化TimesRACOON NEWS中小企業が生成AI!?GoogleWorkspaceを用いたコミュニケーション変革

中小企業が生成AI!?GoogleWorkspaceを用いたコミュニケーション変革

  • #ニュース
  • #企業
  • #デジタル化

こんにちは!

みなさんの職場では、こんなことありませんか? 「あの件、どうなってる?」と聞いたら「メール送ったはずですが…」と言われ、過去のメールを必死に検索。 あるいは、会議の日程調整だけで半日が終わってしまう……。

正直に言います。私たちも、少し前まではそうでした。

創業75年を超える老舗メーカーである私たち三田理化工業も、かつては「紙とハンコと電話」が主役の現場でした。 しかし現在、私たちはGoogle Workspaceを全社導入し、業務効率化を進めています。

今回は、私たちがどうやってデジタルコミュニケーションを主体とした新しい働き方を手に入れたのかをご紹介します。 「うちの会社、なかなかデジタル化が進まなくて…」とお悩みの方、中小製造業のささやかな業務改善の実例に、少しだけお付き合いください。

Google Workspaceとは?なぜ導入したの?

Google Workspaceは、Gmail、カレンダー、ドライブ、Chat、Meetなどが一つになった、Googleのビジネスツールセットです。 現在ではそれらのツールにGeminiをベースにした生成AIが接続され、フローの自動化も実現できます。我々がGoogleWorkspaceを導入したきっかけは、「意思決定のスピード」への危機感でした。

かつてのトップダウン型の組織では、会長の経験と勘で即断即決ができていました。しかし世代交代が進み、組織の階層が増えるにつれ、情報の伝達スピードは落ち「伝言ゲーム」のような状態に。 「これでは変化の激しい時代についていけない!」 そこで決断したのが、「社内の連絡をメールからチャットに切り替える」ことでした。

導入の決め手は「未来の働き方」

世の中にはたくさんのチャットツールがあります。実はそもそもslackを使っていたのですが、他のシステムとの連携もなく、単独で使用していました。コミュニケーションツールの変更は、もちろん働く社員にとっては負担になります。それでも私たちがGoogleに切り替えた理由は、コストや機能だけではありません。チャット以外のツールもそろっており、その他のOfficeソフトよりも「Googleの方が、未来の働き方を見せてくれる」 そんなイメージが後押しとなりました。

導入してわかった「3つの劇的変化」

実際に導入して1年以上が経ち、社内のコミュニケーションは大きく変わりました。特に大きかった変化を3つご紹介します。

1. 「お作法」を捨てて、本質的なスピードを手に入れた

社内のコミュニケーションはメールから、すべてGoogleチャットに変わりました。導入にあたり、私たちは「チャットの運用ルール」を徹底しました。

・「お疲れ様です●●様」禁止:本題から単刀直入に書く。宛先は@をつけてメンションで。
・DM(ダイレクトメッセージ)原則禁止:情報はオープンな場で共有し、属人化を防ぐ。
・リアクション推奨:「読みました」の代わりにスタンプ一つでOK。

これにより、「メールの宛先やCCを気にする時間」や「丁寧な挨拶文を考える時間」が激減。その代わりに、情報の密度が高まり、コミュニケーションの質とスピードが劇的に向上しました。それだけでなく、柔らかいコミュニケーションも増えました。
もちろん、チャットによる情報が流れる現象もありますが、導入後に取った社内アンケートでは「もうメールには戻れない」という回答が多く寄せられました。

2. GoogleMeetで会議&議事録がスムーズに

社内・社外の会議にはWEB会議「GoogleMeet」を活用しています。「音声統合」機能が追加され、同じオフィスでGoogleMeetに参加しても、ハウリングが発生しません。拠点間の会議がスムーズに始めれるようになりました。また、その上で文字起こし機能をオンにすれば、誰が何を話したか、を正確に仕分けしてくれる議事録が完成します。中小企業が、新しい時代の会議の仕組みを獲得しました。

3.「Gemini(生成AI)」が優秀な秘書に

Google Workspaceには、生成AI「Gemini」が搭載されています。 最初は「AIなんて使えるの?」と半信半疑でしたが、今では頼れる相棒です。特に2025年11月からアップデートされたGemini 3 は、もう自分の思考を超えた提案をしてくれるようになり、一気に活用の幅が広がりました。機能面でもすべてのGoogleWorkspaceの機能に内蔵されるようになり、より触れる機会ができました。

・Gemsで三田理化工業用にカスタマイズされたGeminiを全社で使用できるようになりました。
・NotebookLMに技術文書を保存して、ノウハウを蓄積したAIを生み出すことができました。
・社内プレゼン用のスライドを自動生成できるようになりました。

社内で勉強会を開催した結果、全社でこのような活用が広がりつつあります。AIが「考える時間」「形にする時間」の土台を作ってくれるおかげで、人間は「決めること」「答えがない問い」に集中できるようになりました。

三田理化工業の「これから」

もちろん、最初から全て順風満帆だったわけではありません。 サーバーからのデータ移行が終わらず、社長が年末年始返上で作業した……なんていう失敗談もあります。 それでも、「まずはやってみる(スモールスタート)」の精神で、kintoneやGoogle Workspaceといったデジタルツールを武器に、私たちは変わり続けています。

お客様の課題解決のために

私たちがデジタル化を推進するのは、単に楽をしたいからではありません。 「創造力と技術革新により 顧客の課題を解決し社会に貢献する」 この経営理念を実現するためです。

社内のムダな時間を減らし、その分を「お客様の課題に向き合う時間」や「新しい製品を生み出す時間」に使いたい。 洗浄・滅菌機器や、無菌製剤のための消耗品など、私たちの製品を通じて、医療や製薬の現場で働く皆様の「困った」を一つでも多く解決したいと考えています。

結びに

「デジタルの導入なんて、うちには無理だよ」 そう思われている方も、まずは「チャットでスタンプを送ってみる」といった小さな一歩から始めてみませんか? その小さな変化が、やがて大きな「道」に繋がるかもしれません。

三田理化工業は、これからも道なきところに道をつくり、 今だけでなく、未来もともにお客様と歩んでいけるよう、デジタルを武器に進化し続けます。